炎の写真展
日本燃焼学会 2017年『美しい炎』の写真展最優秀作品賞
「フランム・デ・カクテル」
日笠 昭人1,川上 大地1,芝垣 宏俊1,矢作 裕司2
1 芝浦工業大学大学院理工学研究科
2 芝浦工業大学大学工学部
作品の解説
紺碧のグラスとそこに注がれる燃焼学会特製カクテルを同軸バーナーで作りました.環状バーナー(φ12mm)には,プロパンを使用し,主バーナー(φ10mm)には、窒素希釈したメタン空気混合気を用いました.流速や各ガスの濃度は,画像から想像してください.正解者には,無料で「フランム・デ・カクテル」を一杯差し上げます.“添加物は一切加えていない100%天然素材です”.
カメラ:Nikon D5
レンズ:AF Micro-Nikkor 105mm f/2.8 D
絞り値:F/3.5,露光時間:1/13s,ISO:500
日本燃焼学会 2017年『美しい炎』の写真展優秀作品賞
「模擬液面燃焼」
足立 久也1, 伊東 朋晃1, 橋 美紗紀1, 橋本 淳2, 田上 公俊2
1 大分大学大学院
2 大分大学理工学部
作品の解説
世界的にエンジン苦難の時代が騒がれています.燃焼研究者が協力できることを,少し考えてみました.この実験では,予混合火炎に対向して,窒素と混合したガソリンサロゲート燃料を供給しています.下方から供給されたガソリンサロゲート燃料が上方の予混合燃焼ガスと反応し,すすが形成されています.これは,ガソリンエンジン筒内で生じる液面燃焼を模擬しています.模擬というのは,実際の液面を省略した上で,高温低酸素燃焼ガスにバックサポートされているという液面燃焼のポイントを再現したためです.これにより,数値モデルの切り分けによる検証が可能です.基礎的な実験ですが,燃焼の応用技術につながれば良いなと考えています.
「Jellyfish Flame」
横田 輝1,鳥飼 宏之1
1 弘前大学大学院理工学研究科
作品の解説
写真の火炎は,アクリルでできた透明の片側開口円筒にメタン−空気の予混合気を充填し,電気スパークで着火したときに,開口部で形成された火炎渦輪を撮影したものである.写真は長時間露光で,下から見上げた位置で撮影を行っている.円筒の寸法は高さ102 mm,内径49 mmであり,また予混合気の当量比はφ=1.2である.我々の研究室では,この火炎渦輪を用いた火災消火法について研究を行っている.消火ガスとして燃焼ガスを用い,これを渦輪によって輸送することで遠方の火源をクリーンに消せる消火法として確立させたい.撮影された火炎は,まるで深海を青い光を発して漂うクラゲのように美しい.