炎の写真展
日本燃焼学会 2013年『美しい炎』の写真展最優秀作品賞
「急速混合型管状火炎が作り出す螺旋形状 〜炎のアイスクリーム〜」
粟田 大貴,浅野 佑弥,林 潤,赤松 史光
大阪大学 大学院工学研究科
作品の解説
この写真は,円筒型ガラス製燃焼管の外周に設置した4つのスリットより,燃料と酸化剤を円環の接線方向に沿うように別々に供給することにより形成される急速混合型管状火炎の直接写真である.目視では円筒形状の火炎だが,露光時間1/640秒で撮影すると,ガラス製燃焼管内部には左右対称な螺旋形状の縞模様が現れる.この幻想的な螺旋形状の縞模様は燃焼管内部だけでなく,円筒型燃焼管から解放された火炎下流側でもその姿を保つ.この螺旋形状は,輝度値の高い燃焼管内部ではワッフルコーンの姿を,輝度値の低いガラス製燃焼管外部ではアイスクリームの姿をしており,急速混合型管状火炎の美しい瞬間的な表情を写し出している.
カメラ&レンズ:NIKON D7000 & Nikon AF24 F2.8D
絞り値:F2.8,露出時間:1/640s,ISO感度:6400
日本燃焼学会 2013年『美しい炎』の写真展優秀作品賞
「巨大カリフラワー火炎」
金 佑勁1,茂木 俊夫1,桑名 一徳2,土橋 律1
1 東京大学 大学院工学系研究科
2 山形大学大学院理工学研究科
作品の解説
この写真は,一辺が3mの立方体型ステンレス枠(体積V=27m3)に薄いビニルシートを張り付けて形成した空間内にプロパン/空気の混合気当量比φ=0.8を貯留し,伝ぱする火炎を高速度カメラにより測定したものである.大規模での可燃性ガス/空気混合気の球状伝ぱ火炎では,火炎の不安定性により火炎の乱れが生じ,自発的に加速する.特に,火炎のスケールが大きくなると流体力学的不安定性により火炎が乱れ,そのときの火炎面は自己相似的なフラクタル構造を有することが示唆されたので,この写真を「巨大カリフラワー火炎」と名付けた.