炎の写真展
日本燃焼学会 2004年『美しい炎』写真展最優秀作品賞
「ナトリウム-水蒸気の対向流火炎」
山口 彰*,高田 孝*,出口 祥啓**,堀順一郎**,坂場 弘**
*:核燃料サイクル開発機構
**:三菱重工業株式会社
作品の解説
上側円筒から供給された水蒸気と下側ナトリウムプールから気化されたナトリウム蒸気により形成される対向流火炎の写真です。赤色部分が反応生成物(微粒子)、青色部分がOHラジカル濃度を示しています。反応生成物をレーザ散乱法で可視化した画像に、LIFで計測したOHラジカル画像を重ねています。火炎は目視では観察できませんが、ナトリウムプール表面から約2mm上部にナトリウムと水蒸気の反応領域が存在し、浮力の影響により反応生成物が王冠状に流れていく様子が観察できます。
日本燃焼学会 2004年『美しい炎』写真展優秀作品賞
「炎の帯」
馬目 聡*,中村祐二**,林 直樹*,山下博史*
*:名古屋大学大学院工学研究科
**:名古屋大学エコトピア科学研究機構
作品の解説
アセトンを添加したメタン-空気予混合気による乱流火炎について、OH-アセトン同時PLIF計測手法によって既燃領域と未燃領域を可視化した画像です。この二つの領域にはさまれた暗い帯は「火炎帯」を表しています。これより、瞬時の2次元平面内の火炎形状や局所火炎帯厚さがわかります。また、未燃側のアセトンの蛍光分布を利用して、レーザ光の強度の変動や分布を補正し、既燃側のOHの濃度分布の定量的な評価を可能とします。実験では、アセトンも燃料と考えた混合当量比0.8の予混合気915cm3/sを内径27mmのバーナから噴出させ、乱れはバーナ下部に多孔板を設けることによって与えています。
日本燃焼学会 2004年『美しい炎』写真展優秀作品賞
「粒子添加によって火炎面で観察された幾何学模様」
鳥飼宏之
産業総合研究所(NEDOフェロー)
作品の解説
写真はメタン−空気対向流層流拡散火炎を斜め上方から撮影したものである。 この火炎の空気流に粒子(シリコンオイル液滴,粒径 約2 μm)を添加すると、粒子の供給開始時と供給停止時に、火炎中央に正六角形の幾何学模様が観察された。空気流に粒子供給を開始し、空気流中の粒子数が時間的に増加して行くときには、上方の写真に示すように線状に正六角形の幾何学模様が形成された。粒子供給を停止し、空気流中に添加される粒子数が時間的に減少して行く場合、下方の写真に示すように面状に正六角形の幾何学模様が形成された。