超高効率発電

従来の化石燃料発電の超高効率化により,燃料使用量(CO2排出量)を削減する技術です.天然ガス火力発電については主にガスタービン複合発電が対象となりますが,ガスタービンと他のシステムを組み合わせるハイブリッド発電の開発も進められています.

  • ガスタービン複合発電については,1700℃級高効率ガスタービンの技術実証が終了し,ガスタービン入口ガス温度が1650℃(発電効率57%)に達するシステムが商用化されています.更なる高効率化や耐久性向上のため,低NOx燃焼技術,高性能冷却技術,高性能遮熱コーティング技術,超耐熱材料等の開発が課題として挙げられています.
  • 複合発電のうち,固体酸化物形燃料電池(SOFC)と組み合わせたハイブリッド発電であるガスタービン燃料電池複合発電(発電効率63%)の技術開発が進められています.250kW級SOFC-マイクロガスタービン(MGT)は2019年に実用化されました.近年,SOFCからの更なる高効率化が期待できるプロトン導電性セラミック燃料電池セル(PCFC)(発電効率75%)が注目されています.さらに,水電解装置(SOEC)とのリバーシブルシステムとして,SOFC/SOECの研究も進められています.
  • 石炭火力発電については,従来のボイラー・蒸気タービン発電か,ガスタービンを用いる複合発電に大別されます.ボイラー・蒸気タービン発電については主蒸気温度700℃級の先進超々臨界圧(A-USC)(発電効率46〜48%)の開発が進められています.
  • 石炭を用いる複合発電である石炭ガス化複合発電(IGCC)は,国産の空気吹きIGCCが2013年に商用化され,営業運転を続けています.2021年に運転開始した最新鋭の540MW級IGCCは,発電効率48%を誇ります.