バイオマス混焼・専焼発電
火力発電において,化石燃料の代替としてバイオマスを利用することでCO2の排出量を削減することが可能です.バイオマスとは,生物由来の木質バイオマス,農作物残さ,食品廃棄物などを指します.日本では,固定価格買取制度により,バイオマス発電分は賦課金として国の買取対象となります.例えば,石炭火力発電所では,使用される石炭に木質バイオマスのチップやペレットを混ぜた後に一緒に粉砕して,ボイラーで燃やしています.
バイオマスは少量が広く分布しているため,必要量を集積するのが大変です.そのため,大規模発電では混焼発電が主流であり,バイオマス専焼発電は小規模にならざるを得ません.
バイオマスの燃焼速度は一般的に石炭よりも速いと言われていますので,燃焼性が問題になることはあまりありません.しかし,ナトリウムやカリウム等の微量成分が灰分のボイラー伝熱面への付着・堆積などに寄与することがあり,燃料の成分調整やボイラー伝熱面の管理が必要な場合があります.