日本燃焼学会は、燃焼科学と技術、燃焼研究の振興・発展と普及を図り、高効率・高度なエネルギー変換、環境負荷低減を通じた低炭素社会の実現を目指す法人です。個人及び法人格の会員が協力し、燃焼の基礎研究、航空宇宙・自動車・海運等の輸送、エネルギー、発電に代表される応用研究・開発ならびに人材育成を通じ、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献して参ります。

 

・沿革と概要 

1955 年 日本燃焼研究会 発足

1991 年 日本燃焼学会へ改称

2010 年 一般社団法人日本燃焼学会 設立

 

 日本燃焼学会は、その設立趣旨として「燃焼に関する学術及び技術研究の振興とその成果の普及を図り、もって我が国における科学技術と産業の発展及び国民生活の向上に寄与する」を謳っています。学術団体としての歴史は古く、その前身は燃焼研究会(1955年(昭和30年)発足)、さらに1953年に日本学術会議内設置の委員会に対応した「燃焼研究懇話会」を起源としています。燃焼研究会は1991年に日本燃焼学会へ改称、2010年に一般社団法人化され現在に至っています。今日、若手研究者・学生を含む産学官に跨がる個人会員、法人格の会員(令和63月現在、会員数計 約900)が協力し、多様な燃焼科学と技術、燃焼研究の発展、人材育成に取り組んでいます。

本会創立来50年の沿革詳細については、50周年記念講演(平野)予稿を是非、ご参照ください。

 

・日本燃焼学会誌と燃焼シンポジウム、表彰事業

 本会は、日本燃焼学会誌(英文名称:Journal of the Combustion Society of Japan)を年4回発行しています。毎号、特集記事、連載講座、会告等に加え、原著論文を掲載、会員の活動紹介や情報交換を担っています。話題性の高い特集記事等、魅力あるコンテンツを廉価な会費で購読いただけます。なお同誌は、燃焼研究会の機関誌として発行された「燃焼研究」(1959年に発刊)を起源としています。

「燃焼研究」創刊後の1963年(昭和38年)に、後に日本燃焼シンポジウムに発展する第1回の会議が開催されています。燃焼研究は第126号(2001年10月)まで発行され、2002年2月には「日本燃焼学会誌」と改称、(1959年から数えた)第44巻127号として刊行されました。学会誌の詳細:は学会誌200号発刊記事(店橋)を参照ください。

 日本燃焼シンポジウムは、燃焼の科学と技術に関わる学術情報の普及・交換と技術者・研究者の交流の機会として毎年開催され、2023年には第61回(秋田)を迎えました。毎年、燃焼シンポジウム会期中に、本会の表彰事業として、功労・論文・奨励・技術の各賞、また日本の燃焼研究に特段の寄与のあった著名な海外の研究者に国際賞を授与しています。中韓両国との相互招待講演も、開始から20年以上(韓)継続しています。

 

・国際燃焼学会(The Combustion Institute)と日本燃焼学会

 本会は、日本の研究者が国際学会に参加することに大変な苦労があった1950年台(日本燃焼研究会創立期、日本人の海外渡航自由化は1964年)から、燃焼研究者の国際活動を支援、特に国際燃焼シンポジウムへの研究者派遣に貢献してきました。

 本会は当時すでにCombustion Instituteの日本支部と位置づけられ、その関係は現在まで続いています。黎明期における日本の快挙であるSilver Medal受賞(1958年、東京大学・熊谷先生ら)を皮切りに、その後の多くの先達の努力により、第15回国際燃焼シンポジウム(1970年、東京)の日本招致、第29回(2002年、札幌)、さらにはきたる2026年、京都にて第41回開催が決定しています。

 基礎燃焼コミュニティの国際組織と国内組織が密接に一体運営され、そのため国際シンポジウムでの研究成果発表が、基礎燃焼研究における世界舞台に直結していることが、燃焼学会の特徴的な強みになっています。採択率が低く狭き門の国際燃焼シンポジウムで発表、続いて原著論文誌Proceedings of the Combustion Instituteに論文公刊すること,またCI発行のCombustion and Flameや関連誌へ論文を発表することが、若手のみならず世界の基礎燃焼研究者の共通の目標となっています。

 

・日本燃焼学会の特徴・各種活動 

 本会理事(35名)の半数は企業所属理事であり、アカデミアと産業界が密接に協力し運営していることが本会の強みになっています。これを活かし、学生や若手技術者を主対象に、燃焼工学講座を企画・開催しています。特色ある講師陣が、燃焼の科学や技術、応用等に関する講座を年4回程度開催しています。また先進的燃焼技術の調査研究事業では、重要性・先進性の高い研究分野から鍵となる論文を選択、それらの概要を解説、報告会を例年3月に開催しています。その他、出版、夏季研究会、燃焼に関わる研究会の補助等の活動も行っています。燃焼学会のコンテンツである、日本燃焼学会誌や燃焼研究への掲載記事,日本燃焼シンポジウムの予稿集はその全てを、本会の会員データベースで検索・閲覧可能です。詳細は、本会HPをご参照ください。また学会誌記事は冊子体の他、J-Stageを通じて電子版として公開されています。

2024年3月 更新