会長挨拶

会長挨拶
Prof. M. Tsue
日本燃焼学会会長
津江 光洋
TSUE, Mitsuhiro
東京大学大学院工学系研究科 教授

 この度,藤田修前会長の後任として日本燃焼学会会長を拝命いたしました.歴史ある学会の会長という重責を担うことになり,身が引き締まる思いですが,就任にあたりご挨拶申し上げます.
 本学会では,ご承知の通り,理事ならびに会員の皆様の献身的貢献により,学会誌の発行をはじめ,燃焼シンポジウム,燃焼工学講座,先進的燃焼技術の調査研究,研究分科会,夏季研究会,学会HPおよびデータベース構築などの活動が継続的に実施されています.近年では,小豆畑元会長の刺激的かつ急進的な発案によるものと記憶しておりますが,小林元会長および藤田前会長の下で産学連携研究,若手・女性コミュニティ創出,燃焼シンポジウムにおける英語セッションおよび基調講演の開催などが立案,実施されるに至っています.藤田前会長はこれらの新事業の実施を軌道に乗せるのみならず,産学連携研究事業の新展開,燃焼学会誌コンテンツのJ-stageへの登録,先日開催されたASPACC開催など,さらなる学会活動の充実に貢献されました.
 燃焼は従来からエネルギー変換の大部分を担う基幹技術であるにもかかわらず,1980年代の「自動車エンジンの排ガス浄化」に関する文科省特定研究や「燃焼機構の解明と制御」に関する科研費の重点領域研究以降,国が主導する大型研究プロジェクトは途絶えておりました.しかしながら,数年前に開始されたSIPプログラムにおいて「革新的燃焼技術」と「エネルギーキャリア」という2つの燃焼にかかわるプロジェクトが成功裏に実施されたことは,日本の燃焼研究分野の潜在能力を十分に示したものであると思われます.
 地球温暖化やエネルギーセキュリティの観点から,各種燃焼機器の効率向上や再生可能エネルギーの利用などが今後ますます社会的課題となると思われ,日本燃焼学会は燃焼分野おける唯一のコミュニティとして,他分野の研究者と協力しながら上記課題を解決する役割を果たすことが求められております.そのためにも,会員皆様の研究開発活動を支援しながら,情報交換の場を提供し,また若手研究者の育成に注力することで,燃焼研究分野がさらに発展するよう微力ながら努力してまいりたいと存じますので,今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます.
2019年8月
日本燃焼学会誌 第61巻197号より


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